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繁殖ボランティアさんの体験談

ボランティア募集について

繁殖ボランティア岩谷忠一さんの声

犬のお産も命がけ! 家族全員で見守りました
写真:岩谷忠一さんご家族

もともとはパピーウォーカーに興味があって九州盲導犬協会の見学会に参加しました。そのとき視覚障がい者の方にとって盲導犬は大切なパートナーであるということを知り、そして盲導犬の必要性を強く感じました。育成がなかなか間に合っていないという実状を知って、自分たち家族にもできることがあればと、盲導犬育成のボランティアをすることになったのです。

縁あって我が家はエミーという繁殖犬を預かることになりましたが、実はエミーはパピーウォーカーとして最初に預かった犬でした。エミーと10か月ぶりの再会、覚えているだろうかと少し不安もあったのですが、なんのなんの、対面室のドアが開くや否やエミーは一直線で走り寄ってきたかと思うと全身で体当たり、尻尾は振り切れんばかりに興奮気味で、しばらくはそばを離れませんでした。ちゃんと覚えていてくれたんです。涙、涙の再会でした。エミーがこうして繁殖犬として帰ってきたのは、何だか巡りあわせのような気がしています。

繁殖犬ボランティアは、日頃は普通のペットと同じように飼育しているのですが、子犬を産ませて離乳までの間育てなければならないというのが大きな違いです。「出産後2か月は大変ご苦労が多いので覚悟してください」と繁殖担当の職員さん。その言葉のとおり、エミーの初めてのお産の時は帝王切開ということもあり、とても心配しました。最初の1頭を出産する間際にエミーが苦しそうな表情で吠え(泣き)続け、家族全員、祈る思いで声援、そして1時間ごと出産の度に声援を繰り返し6頭出産した後は徹夜だったこともあって、家族全員疲れ果ててしまいました。それにしてもお産は命がけ。お産が大変なことは頭ではわかっていましたが、実際エミーの出産に立ち会って痛感。ずいぶん昔のことではありますが、我が子の出産に立ち会わなかったことを今更ながら反省しています。

 

お母さんエミーの子育てに脱帽
写真:産後の写真

それにしてもお茶目で甘えん坊のエミーが、出産後は性格が一変。子犬たちへの授乳、排泄処理、毛づくろい等々甲斐甲斐しい様子に感動し、母性愛旺盛な母犬であると改めて繁殖犬としてのエミーを見直したわけです。エミーの子育てを見ていて、パピーウォーカーさんに引き渡すまでの50数日間は子犬達にとって母犬からの愛情(母性愛)をいっぱい貰って育つことが一番大切だと知らされました。子育ては母犬が中心、飼育者はあくまでもお手伝いが基本ということになりますね。

日を追うごとに昼夜の区別なく活発に行動する子犬達に振り回され、こちらも睡眠不足で疲労を感じましたが、エミーの母性愛あふれる子育てに後押しされ、励まされてやり遂げることができました。

写真:子育て中
将来その子が視覚障がい者を導く犬になることを忘れないように

盲導犬の候補犬はただ育てるだけではない、産まれた時から盲導犬としての訓練が始まるのです。パピーウォーカーさんへバトンを渡すまで、「将来その子が視覚障がい者を導く犬になることを忘れないように」その心がけだけは繁殖犬ボランティアになっても、常に自分に言い聞かせています。子犬を送り出した後、「皆さんから寂しいでしょう」と声を掛けられます。もちろん別れは寂しいです。子犬たちの成長も気になりますが、それよりもパピーウォーカーさんへ無事に手渡すことができた達成感と安堵感の方が大きいです。役目は終わった、あとは陰で祈るばかり。子犬達がパピーウォーカーさんの元で可愛がられてすくすく成長しているのがみられると、私たち家族もとてもとても嬉しいです。

もう今やエミーは家族の一員、いやいや、家族の中心的存在です。しかしそれだけではありません。盲導犬ボランティアに関わったことで、私たちの意識も変わったように思います。目の不自由な方を見かけたら声を掛けるようになり、確実に世界は広がったと思います。また家族の絆が強くなったし、いろんな人との交流もできました。犬と触れ、人と触れ、エミーがもたらす新たな出会いや「絆」をこれからも楽しみにしています。

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